ごあいさつ( 会長:中館 一郎 )
ご承知のとおり、日本の少子高齢化は急速に進行しています。2040年には65歳人口が全人口の35%に及ぶという超高齢化社会が確実に訪れます。超高齢化は、複数の疾患が併存する患者の増加を意味し、治癒が難しくなり、介護の面では自立生活困難者の増加など医療や介護のニーズが益々増加していくと言われています。
このような人口構造の変化がもたらす医療・介護への課題へ対応するため、地域全体で効率的に患者さんを支えていく仕組みとして医療情報の共有化が謳われて久しく、その間に国などが設立した補助金の制度等を利用して地域医療情報連携ネットワークが全国各地に立ち上がりました。地域の実情に応じて様々な方法で運営され、成果をあげている地域もありますが、利用促進や運営費用の点に課題を抱えるところも多くみられるようです。また、国が電子的な規格・仕様の標準化を図り基準を定める前に、補助金で地域医療情報連携ネットワークの設立を支援したため、全国各地にそれぞれ電子的な規格・仕様の異なるシステムが乱立しました。
一方、近年マイナンバーカードを中心とした医療データの一元管理、すなわち医療DXが国によって事実上の強制で進められ、「いわて中部ネット」のような地域医療情報連携ネットワークと競合する面が多くみられるようになっているのも事実であります。
我々は今後いかにして患者情報を共有・利用し、地域医療資源を無駄なく活用するかを考えながら進んでいかなければならない状況にあります。例えば、国が進める医療DXには検査結果やCT・MRI画像の蓄積は無いのですが、「いわて中部ネット」は検査結果などが蓄積される仕組みなので、検査結果等については、いわて中部ネットを活用するということです。
会員施設の皆様の積極的なご意見を汲み、地域医療情報連携ネットワークの利活用について有用性、将来性、コスト問題などを検討しながら進んで参りたいと考えております。
また、いわて中部ネットの仕組みについて、市民の皆様のご理解を得られるよう説明に努め、地方自治体からのご支援を賜り、連携を図りつつ運営して参りますので、今後ともいわて中部ネットへのご理解、ご協力をよろしくお願いいたします。
法人概要
名称: 特定非営利活動法人岩手中部地域医療情報ネットワーク協議会
所在地: 岩手県花巻市大通り二丁目6番23号
設立立年月日: 平成28年4月12日
会長: 中舘 一郎(花巻市医師会)
目的:
医療・介護・福祉等の関係機関と患者や在宅・施設入所者等を含む地域住民に対して、情報通信技術の活用による診療情報共有等の連携推進に関する事業を行い、地域住民が安心して受けられる医療・介護・福祉サービス環境の充実に寄与することを目的とする。
活動の種類:
次に掲げる種類の特定非営利活動を行う。
(1) 保健、医療又は福祉の増進を図る活動
(2) 情報化社会の発展を図る活動
(3) 社会教育の推進を図る活動
(4) まちづくりの推進を図る活動
(5) 前各号に掲げる活動を行う団体の運営又は活動に関する連絡、助言又は援助の活動
事業:
(1) 医療機関、介護系施設等における診療情報等の共有化を推進する事業
(2) 医療情報ネットワークの運営事業
(3) 医療情報ネットワークに係るホームページ運営事業
(4) その他第3条の目的を達成するために必要な事業
役員:
副会長 岩淵 崇(北上医師会)
理事 大平 和輝(花巻市医師会)
理事 菊池 俊彦(遠野市医師会)
理事 和賀 浩幸(北上歯科医師会)
理事 狩野 敦史(花巻市歯科医師会)
理事 佐藤 圭士郎(遠野歯科医師会)
理事 三浦 正樹(北上薬剤師会)
理事 坂本 秀樹(花巻市薬剤師会)
理事 吉川 朗(岩手県看護協会北上支部)
理事 工藤 直人(岩手県看護協会花巻支部)
理事 高橋 恒信(北上地区ケアマネージャー連絡協議会)
理事 峯村 諭(花巻市介護支援専門員連絡協議会)
理事 阿部 めぐみ(釜石広域介護支援専門員連絡協議会遠野地区)
理事 一戸 貞文(北上済生会病院)
理事 後藤 勝也(総合花巻病院)
理事 小原 眞(町立西和賀さわうち病院)
理事 吉田 徹(岩手県立中部病院))
理事 鈴木 雄(岩手県立遠野病院)
理事 松浦 和博(岩手県立東和病院)
監事 大平 明範(花巻市歯科医師会)
監事 福盛田 新(北上薬剤師会)
法人設立趣旨
設立趣旨書
この法人は、医療・介護・福祉等の関係機関と患者や在宅・施設入所者等を含む地域住民に対して、情報通信技術の活用による診療情報共有等の連携推進に関する事業を行い、地域住民が安心して受けられる医療・介護・福祉サービス環境の充実に寄与することを目的としています。
社会情勢の変化に伴い地域医療を考えるとき、病院完結型医療から地域完結型医療への転換が求められています。超高齢化社会に伴う疾病構造の変化や医療介護のニーズが高まるなか、住民を中心とした医療介護連携体制の構築が急務となっています。
具体的には、地域医療を担う医療機関の機能分化と連携、医療・介護・福祉の連携、在宅医療の推進などの課題に対応するため、医療機関及び施設等相互において切れ目のない医療・介護・福祉の情報連携を行い、継続した質の高い地域医療連携の推進を図ることにより、患者に寄り添った医療・介護・福祉の一体的なサービスを提供できると考えます。
現在、中部地域の医療機関では、地域医療連携の取り組みが種々進められていますが、地域の医療・介護・福祉での情報共有が重要であり、その推進には情報通信技術の利用が期待されています。
本協議会では、岩手中部地域の医療・介護・福祉等を対象とした「医療情報ネットワーク」の構築に向け、関係各機関が協議員となり、議論を進めてまいりました。
本事業は、医療・介護・福祉等という公益性の高い分野において、関係各機関からの賛同及び参画によって活動すること、透明性・公平性を確保し社会的信用を得ながら活動することが求められます。また、「医療情報ネットワーク」の構築においては、将来にわたって継続的に維持・運用していくための組織基盤機能を有することが必要です。
以上から、法人格を有し運営していくことが最も適当と考え、特定非営利活動法人を設立することといたしました。